11.キスする度に好きになる
陽気なライトが目覚ましの変わりだった。
窓辺から差し込む太陽光の温かさと直ぐ側で感じるもう一つのそれが心地良くて堪らない朝――トキヤはレンの腕の中に居た。
抱き締められて眠る夜、包まれた安心感は想像以上に心を穏やかにさせ、日々の疲れを癒やしてくれる。
「……レン…」
と、ぽつり名を零せば直ぐに力強い腕が返ってきて、トキヤは定位置に戻されていく。
それも毎度のことと分かっていながら繰り返してしまうのは、やはりこの幸せを噛み締めたいからだ。
「……仕方のない人ですね…」
決して離そうとしないレンの中に己の居場所があることがトキヤには嬉しくて堪らなかった。
「ん……」
自然と生まれる微笑みと共に未だ夢へと伏せられたままの瞳に口付ける。
日頃から溢れて止まない想いをレンが眠るここぞとばかりに唇から伝えていくトキヤは何時になく狡い男だった。
「……ッ…(顔が見たい)」
繰り返されるキスに目が覚めたレンが眠る振りに必死だった事は言うまでもない。
「…レン……」
それから暫く続く優しい雨唇のリズムにホッと安堵の息と漏らす。
辛うじて寝息に誤魔化せてはいるようだが甘い夜を過ごした翌日、流石に我慢をするには酷だった。
「――もう限界…」
「んぅ…ッ」
キスに満足したらしいトキヤの離れていく後頭部を押さえ込み、可愛げを残す艶唇にレンは噛み付くようなキスを仕掛けた。
「今日も愛してるよ――トキヤ」