意地悪でご褒美なキス
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「砂っちゃ、んっ、さっちゃ…あ、あっ、あ、」
限界が近づくとハヤトは決まって首に抱き着いてくる。
嬉しいような、切ないような甘い声で、砂月の名を呼んでキスを強請るのだ。
「…キスしたいなら自分からしてみろよ」
近かった唇をわざと遠ざけ、悪戯な笑みを浮かべる砂月がハヤトを更に追い詰めていく。
「んんっ、イジワル、しちゃ、やだにゃあ…ッ」
ぎゅうっとしがみつくハヤトの目には涙と、拗ねた唇が尖っていた。
そんな反応も可愛いとしか思っていない砂月も砂月だが、だからと言ってあっさりとキスをする訳ではない。
「キスをするか、先にイっちまうか…選べ。今すぐにだ」
ずっずっと、広がる水音に激しさが増す。
強引に奥の方まで揺すられて、動きに合わせて揺れる視界が白くスパークし始めていた。それは、限界が近い証拠。
飲み込めなかった唾液が口端から垂れ、キスどころか、呼吸をすることしがみつくことで精一杯のハヤト。
軽々と片腕で抱きかかえ、ハヤトはもう与えられ続ける術しか残されていない。
「〜っ、ン、にゃ、アッ、ああ、さっちゃんのいじわ…っあ」
文句は喘ぎにすり替わり、反撃は虚しく睨むだけに終わる。ただ、涙目で威力があるかと言えば逆効果に過ぎないのだけれど。
はち切れそうな雄根は震え、ハヤトの限界はもう目の前。かく言う砂月の限界もそう遠くはないのだが。
「…意地悪されて嬉しい癖によく言うぜ」
少しだけ強めに耳たぶを囓ると、刹那な声が砂月に届いた。
「…――っあ……」
その瞬間、ぶるぶると大袈裟なくらいに砂月の身体の下でハヤトが身悶える。
「…はぁ?おい、お前…耳でイったのか?おい、ハヤト」
「…っふえ、は…にゃあぁ…だ、だって…っ、だって…っ」
顔を覗こうとするとぷしゅうと音がした。
瞳がかち合うと、己が達してしまった事を実感したハヤトが真っ赤になって縮こまった際の音らしい。
全身で感じる羞恥にハヤトが鳴き震えるに連れて、彼の内壁は収縮を繰り返してもっと欲しいと蠢き続けている。
それは、嬉しさと悦さからなるものか。
「…身体は正直だよなァ…ホント…お前、これで終わると思うなよ?」
力の抜けた上半身を起こそうとハヤトの腕を引き、繋がりを深め直すと、砂月はもう一度、耳に噛み付いた。
「っ――にゃあッ」
ビクン、丸まっていた背筋がピンと張る。
ピリピリとした快感がハヤトの身体を駆け巡った証。
身体中が火照り、あらゆる箇所が性感帯のようになってしまっている今、砂月の次の手を考えると、身体は正直に快楽を求めようとする。
そんな反応をしてしまう自分に対し、真っ赤な顔で困ったように砂月にしがみつく。
ぎゅっと、擦り寄るような動きで許しを請う姿は、腰にクるものがある。
「はっ、面白ぇ反応しやがって……」
その快楽は、結合部を通して砂月にも伝わっている。二人で感じ合う、それが自然。
ハヤトが得ている快感は砂月にも伝わり、そしてまたハヤトへと繋がっていく。
終わりの見えない久しぶりの行為は、永遠に続くように感じられるのも避けられない道だろう。
体内で感じる砂月のソレが、さっきよりも大きく感じるのは気のせいか。否、気のせいだと思いたいのだけれど。
「ふにゃ、あ…も、やァ…さっちゃ、すき…すき…っ」
砂月の額から滑る汗が艶めかしく、ハヤトの頬に伝い落ちる度に、二人は更に溺れていく。この行為に。
そして、互いの存在に。
「――ッ、ん……」
念願のキスが突然に降り注ぐ。
荒れた呼吸と喘ぐ声をも噛み付くような、鋭いキスは水音を立ててハヤトを追い詰めた。上からも下からも攻め立てる砂月の呼吸も荒い。
キスを待ち望んでいたハヤトが恍惚な笑みを浮かべ、きゅうっと砂月を締め付けて喜びを体現していく。
流石の砂月もこれ以上、堪えるつもりはないらしく、奥深くへ誘われるがままに吐精した。それから後を追うようにハヤトも何度目かの絶頂を迎えていた。
「は、ぁ…にゃ……」
ぐったりと、ベッドへ沈む二人。
それでも砂月のキスが止む事は無く、意識が途切れるその瞬間までハヤトを味わうことを止めない。
全ては、愛故に。砂月が余り口にしない燃えるような愛情が胸の内に在るからこそ、最後の最後までハヤトを堪能したかった。
キスは最大のご褒美。遠い世界で夢心地のハヤトが幸せそうに微笑んだ。
微笑みから伝わる「だいすき」の言葉に、砂月はその想いを食べるように再び口付け、そしてハヤトと共に夢の淵へと堕ちていった。