15.てのひらの熱
帰ろうとする腕を咄嗟に掴んでしまった。
「ん?どうしたんだい?イッチー」
名を呼ばれてはたと自分が取った行動に気付く。
「あ……。いえ、何でもありません」
「引き留めてくれたのかと思ったのに」
言ってレンは残念そうに笑う。
「……熱いんです」
「熱い?」
「貴方の所為で…心がざわついて、熱い…」
唐突な打ち明けにも動揺が少なくなったレンがもう一度微笑んでトキヤの手を取った。
「ほら、オレだって同じさ」
熱い手が重なると伝わっていく二人の想いは寒さにも負けない。
「帰らないで欲しいなど言いたくありません。でも…今日は帰らないで欲しいんです」
「はは、イッチーそれって凄く矛盾してる」
「…イッチーは明日も仕事だったよね?(だから我慢したんだけどね)」
「ええ分かっています、自分がどれだけ我侭なことを言っているかくらい…。だけど今夜は貴方を帰したくないんです、レン」
振向いたレンの胸にトキヤが引き寄せられたのはほぼ同時だった。
「…そんな顔しないでよ…もう限界……」
てのひらの熱は想いに比例する。