16.残り香

ふわり、香る甘さがレンの鼻孔を撫でた。

「…イッチー、甘いものでも食べた?」
「食べる訳無いでしょう」
「だよねぇ…」

今日は後々に来るであろう翔も交えての勉強日だ。
二人きりの教室に仄かに漂う甘い甘い香りがレンを放さない。

「…やっぱりイッチーだよ」
「は?」
「甘い匂いがする」

言ってレンは掴んだトキヤの指先にキスを落とした。
甘い、甘い誘惑の香りは時に人を獣に変える。


ハンドソープが桃の香りだったんです。
それがあまりにも香りが持続するから悶々としちゃった。笑
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