18.デート日和、キス日和
「ほら、レン…今日はショッピングに行くと言っていたでしょう?起きてください、レン」
ゆさゆさとレンの肩を揺すり起こす。
先にベッドから下りても以前ほど唸らなくなったけれど、その分目覚めは悪い。
「レン、早く起きないと私一人で行きますよ?」
「…う……」
嫌だ、と言わんばかりにレンの腕が伸びてくる。
それでもトキヤはベッドの淵に腰掛けたまま、触れ返そうとはしない。
「嘘ですよ。……デート、するの楽しみなんです。今までろくに行けなかったので…楽しみで……」
触れない代わりにぽつりと照れくさそうに言葉を続けるトキヤの頬は紅色に染まっている。
洋服のコーディネイトも普段以上に気を遣い、完璧な装いだ。
それに比べてレンときたら未だベッドで夢と現実の狭間でと浮気中。少しだけ拗ねた気持ちになった事はレンには秘密だ。
「……ねぇトキヤ、顔見せて?…真っ赤なんだろう?」
「…っ」
それは嫌だ。こんな緩んだ顔を見られてしまってはきっとデートどころではなくなる。
「……私の話聞いてました?」
少々不満の色を見せつつ振り返る。
「聞いてたさ、勿論。デートはオレだってしたい。でも今はトキヤとキスがしたい」
「なっ…」
「お詫び、じゃないけど…キスで機嫌直してくれよ。もう起きるからさ」
「………とびきりのキスで。でなければ今度は私がベッドに潜りますよ?」
「……それって」
拗ねた故に潜るのか、潜らざるを得なくて潜るのか。
その意味はどちらか。図りかねていた所でトキヤがずいとレンの方に近づいてきた。
「?何です」
「いいや、何でもない。おいでトキヤ……」
「…んっ…」
レンを覆い被さるようにしてキスを交わせば、二人の朝がゆっくりと終わりを迎える。